鎌倉のカフェ「ヴィヴモンディモンシュ」のマスター・堀内隆志がお送りするコーヒーをもっと楽しむFMヨコハマのポッドキャスト番組『COFFEE TALK SESSION』。8月15日の放送では、番組初の公開収録イベントの様子がオンエアされました!
ゲストは、今回の主役のコーヒー新豆を、最速で日本に持って来た、ホンジュラス オスマンサンス農園主の松元啓太さん。
ホンジュラスコーヒーの話から、カップオブエクセレンス、ご自身が運営管理しているオスマンサス農園などについても伺う盛りだくさんの放送です。
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その頃はコーヒーというか音楽好きの青年という感じだった
堀内: 私と松本さんとの出会いは、今から31年前に遡るんですね。ディモンシュがオープンしたのが1994年の4月で、その直後ですかね。
松本: 鎌倉に住んでいて、コーヒーに興味を持ち始めてた時だったんですね。
堀内: 大学入ってすぐでしたね。その頃はコーヒーというか音楽好きの青年という感じがしましたね。僕がちょうどこのお店を開けたのが26歳の時だったので、その頃は20歳。6歳違うね。その頃はすごく音楽に興味があって、ディモンシュもその頃は自家焙煎ではなかったんですけど、拘った音楽をレコードプレーヤーでかけてて、その都度その都度松本さんがカウンターに来てはこの曲なんですかって聞いてきたね。
松本: 本当に図々しい客だったと思うんですけど笑
松本: コーヒー好きが昂じて、紆余曲折もありましたけど、コーヒーの輸入商社に勤めることになりました。
堀内: 本当に昔は、音楽を松本さんにこれ聴きなよ! って教えてたんですけど、今や立場が逆転してますからね。コーヒーを僕が教えてもらうような立場になって、まさか31年前はこういう関係になるとは、思ってなかったですね。
カップオブエクセレンスについて
堀内: 松本さん、先日ヘッドジャッジとしてホンジュラスの国際品評会、カップオブエクセレンスに参加されてきましたけど、アジア人初ということで、今回その品評会はいかがでしたか?
松本: 審査員としては10回以上参加して司る立場にもなりました。ヘッドジャッジって皆さんをまとめて素敵な仕事だなと思ったんですけど、実際やってみたらやりたくないなと思うくらい大変な仕事でしたね。審査会を管理するリーダー的な感じで行くんですけど、審査会は午前中に終わって、審査員たちはいなくなっちゃって、僕らはまだラボラトリーに残って、焙煎の続きをやって、次の日の準備をしなきゃいけないんです。これが長くて、何時だと思います? 夜の11時です笑
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コーヒー農園を持つのは夢だった
堀内: 松本さんのオスマンサス農園について教えていただきたいんですけど、大体1haってどのくらいの広さなんですか?
松本: 100m四方と考えると良いと思います。農園としては大きくないですね。ホンジュラスの農園は、生産者の単位で大体1人が持ってる土地の単位っていうのは1haとか2haが多くて、それを家族で営んでるっていうケースが多いです。
堀内: 車では行けない場所なんですよね?
松本: うちの農園が位置してるのは山のてっぺんにあるんですけど、その山は道がなくて、急峻なんですよ、そのてっぺんがちょっと平らになってて、そこにコーヒー豆が植得られているんですけど、そこに行くまでにバイクも通れないですし、四輪バギーも通れないです。歩いていけば行ける獣道があるんですけれども、馬の背中に乗っかっていかなければいけない。
堀内: このオスマンサス農園は、どういうことがきっかけで農園主になったんですか?
松本: 元々コーヒー農園を持ついうのは、コーヒーの仕事をしていて夢でもあったので。その夢を叶えた形にはなったんですけど、ちょうどこの農園を持った時っていうのが世界のコーヒーの相場が低迷してた時で、農民たちはコーヒーを生産してもコストの方が高くなっちゃって、利益が全くなかった。作れば作るほどマイナスになっていっちゃう。そういう世界で、コーヒー畑が続けていけなくて、捨てられていくような状態が随所で見られたんです。それは2016,17年ですね。その中で、バイヤー仲間で、ホンジュラス人の方と今回のオスマンサスの場所を見つけて。すでにコーヒーはあったんですけど、手入れがされてなくて、そこを整備して譲り受けるような形で購入して、初めてのロッドを日本に出させてもらいましたけど。
堀内: そこで従事していた人たちはそのまま雇用したってことなんですか?
松本:そうですね、一部の人はファミリーの人を雇用して。
私たちの周りに溢れているようにみえる食べ物や飲み物は、当たり前になりすぎて、どのような土地で、どのような人が携わって、食卓に並ぶのか、普段の生活ではなかなか目を向ける機会がないかもしれません。
土地の購入、その土地に暮らす人の背景、コーヒーが作られて運ばれるまでの道のり、生産者の想い、そんなものが全て混じり合っているということを思い出させてもらえます。
この配信はポッドキャストからお聴きできます。
ぜひ公開収録の後編もこれからの配信もチェックしてみてください!
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